一般的な獣医さんの診療日誌 カルテNo.4 「吐き気が止まりません。」⑧

前回の続きです!

私は工藤さんに胃内異物の可能性が高いことをお伝えし、開腹手術の承諾を得ました。

手術開始後まもなく、直径3cmほどの木の実らしきものが胃の幽門部(胃の出口)にはまっているのを発見しました。
他にも木の枝や髪の毛など様々なものが胃の中にありましたが、この木の実らしき物体が
吐き気の原因であることは明確でした。
腸の方にも異常がないことを確認後、閉腹をし無事手術は終わりました。

手術後のマロンちゃんは経過もとても良く、手術から5日後に退院に至りました。

その後、手術部位の抜糸に来たマロンちゃんはいつも通りの元気な姿に戻り、工藤さんにもすっかり笑顔が戻りました。


    完



          

今回のマロンちゃんは、おそらく吐き気が始まる数日前にお散歩中に木の実を飲み込み、それが胃の中でずっとゴロゴロしながらとどまっていたのでしょう。
その木の実が胃の出口を塞ぐときに吐き気が出ており、胃の出口を塞がない限りは至って普通であったのでこのような断続的な吐き気が出たのだと思われます。
その木の実が完全に胃の出口である幽門に詰まって動かなくなってしまい、その結果異常な胃のガスが貯まりお腹が張ってきたという急変につながったと考えられます。


今回は通常のX線検査で写らない異物という非常に発見しづらい原因でしたが、吐き気に関しての診察は、原因の違いもありますが、基本的には今回のような流れで診断と治療を行っていきます。
一つの「吐き気」という症状をとっても私たち獣医師は言葉をしゃべらない動物を相手にしている分、常に今回のようなさまざまな可能性を考えながら診察をすすめています。
はじめからすべての可能性を想定した検査を行っていけばより原因には早く近づけるのかもしれませんが、検査や治療はどうしても費用がかかってしまいます。
そのため私はなるべくその子の状態を把握しながら考えられる病気の原因をお話しし、可能性の高そうな原因に関与するものから必要な検査や治療をさせてもらうようにしています。
また原因の特定には、私たち獣医師の知識や経験はもちろん大事なのですが、飼い主様からお聞きする情報があるかないかでは診断の精度や速度は大きく異なってきます。
そのため日々何気なくでかまいませんので自分の子を見てあげてください。その何気なく見ていること、いつも違う点などが病気の診断に役立つことが多いです。
ぜひ言葉を話せない自分の子の一番の代弁者になってあげてください。


以上、長くなりましたが、今回は「吐き気」に関してのお話をさせて頂きました。

過去の一般的な獣医さんの診療日誌はこちらへ
カルテNo.1 血尿パニック 
カルテNo.2 ダックスの永遠の悩み 〜椎間板ヘルニア〜
カルテNo.3 多くの中高齢ネコちゃんの悩み 〜慢性腎不全〜





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