一般的な獣医さんの診療日誌 カルテNo.2 ダックスの永遠の悩み ~椎間板ヘルニア~ ①

どうも!院長です。

今回はミニチュアダックスフンドを飼われている飼い主様からブログにぜひ書いてほしいという要望がありましたので、今回はダックスちゃんの永遠の悩みの種である椎間板ヘルニアについて書きたいと思います。


椎間板ヘルニア とは背骨の椎骨と椎骨の間の椎間板が変性を起こしたり、その中身が飛び出してくることによって脊髄を障害し、神経症状を引き起こす病気です。

ダックスちゃんは軟骨異栄養性犬種といって若い時から椎間板が軟骨様になり弾力性がなくなってくることが遺伝的にわかっている犬種なので、他のワンちゃんに比べ椎間板ヘルニアが起きやすい犬種になっています。

今回この椎間板ヘルニアに関する病気の説明をするだけでは理解しづらいと思いますので、実際当院で私が経験した子の経過をお伝えするとともにこの病気に関して理解してもらえるようにお話ししていきたいと思います。


カルテNo.2 吾郎ちゃん(仮名) 2歳 ミニチュアダックスフンド


『今朝から足を気にしている。触ろうとすると怒り、歩きたがらない。』
という主訴で来院した吾郎ちゃん。

飼い主様に詳しいお話を聞いたところ、昨日までは普通に散歩も行っていてそのときは足を気にする様子はなかったとのこと。


解説          

私が実際病院で診察する中で『椎間板ヘルニア』の疑いありと診断した子の飼い主様から聞く症状としては
軽度の状態であれば

「ケージから出てこようとしない。」
「動きたがらない。」
「触ろうとすると怒る、鳴く。」
「いつもは飛び乗るソファーやベッドに上がろうとしない。」


などの症状が多く、

ある程度進行している状態であれば

「後ろ足がふらつく。」
「急に立てなくなった。」


という症状で来院される方が多いです。

椎間板ヘルニア = 背中が痛い

と思いがちですが、見た目は上記の通り、「どこかが痛そう」「後ろ足が変」という症状で飼い主様が気付くことが多いので、もし思っていた印象が異なっていた飼い主様はイメージを変えてもらった方が早期発見早期治療につながると思います。

         


私はまず歩き方を見てみようと看護士に吾郎ちゃんを飼い主様より離れた場所に連れて行ってもらい、歩かせる指示をしました。

飼い主様に向かって必死に歩こうとする吾郎ちゃんですが、その歩き方は明らかに右足を引きずっていました。

次に一般身体検査をするため吾郎ちゃんを診察台にのせました。

すると抱っこをするだけで痛いのか押し殺すような声を出す吾郎ちゃん。

負担をかけないように看護士に支えてもらいながら私は身体検査を始めました。

聴診は心臓、肺ともに問題なし。触診では明らかにお腹に力を入れ、どこかが痛い様子が疑われました。

そして足を触っていきます。

最初にしっかり使っていた左足に関しては触診上大きな問題は認められませんでした。

そして問題の右足を触っていきました。

まず右足の骨折や靭帯の損傷など骨格的な明らかな異常所見は認められませんでした。

続いて神経学的検査を実施。

まず、吾郎ちゃんの右足の甲を診察台につける。

吾郎ちゃんはその甲を診察台につけたままピクリとも動きませんでした。

続いて鉗子を使って肉球の間を軽く挟む。変わらず反応なし。

鉗子でさらにしっかりと肉球の間をより力強く挟む。

少し右足を引く様子が見られ、吾郎ちゃん自体も振り返る姿勢をとったのでした。

この結果吾郎ちゃんの右足は、かろうじて痛覚は残るものの明らかに神経機能が低下していることが確認できました。


つづく




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