症状から考える病気(11) 「多飲多尿」④

前回の続きです!

それでは「多飲多尿」につながる病気の解説をしていきたいと思います。

発見が遅れると命に関わる病気として怖いのが

子宮蓄膿症


です。

子宮蓄膿症とは子宮の中に膿が貯留ししてしまう病気です。

ワンちゃんネコちゃんたちが発情すると、子宮の膜を分厚くして受精卵を着床しやすくしたり、子宮の入り口を広げたりと妊娠しやすいように子宮を変化させます。

しかしその分、その時期の子宮内は細菌感染に対する防御機能が弱くなってしまうため、陰部からの感染が起こると子宮内で細菌が増殖し、膿汁がたまってきてしまいます。
しかもその膿が尿と一緒に陰部から出てきてくれれば発見しやすいのですが、外に全く出てこない場合も多いため、この子宮蓄膿症はどうしても発見が遅れてしまう病気なのです。

そのため飼い主様の知らないうちに膿が体の中で増えてきて、ある程度たまってきてしまうと具合が悪くなってきてしまいます。

子宮蓄膿症の見た目で出てくる症状はその子によって異なります。
はじめは少しずつ元気食欲が減ってきたり、下痢が出てきたり、発熱したりと他の病気と似たような症状が出てくることが多いです。
そのうちに子宮内の膿がパンパンになってしまうと細菌が全身の臓器に悪影響を及ぼしはじめ、一気に状態が悪くなり亡くなってしまうこともあります。

「多飲多尿」はそのような分かりづらい子宮蓄膿症になっているときに出てくる症状の一つです。
ペットたちの発するこのような病気のサインに気づけるかがとても大事なのです。


子宮蓄膿症の治療は基本的には外科手術で子宮を摘出することになります。


ワンちゃんネコちゃんたちの子宮は双角子宮といって子宮が二股に分かれている構造をしているため、子宮内を洗浄することは難しく、またホルモン剤などの内科治療もありますが必ず効果が期待できるわけではありません。

パイお
実際に当院で手術を行った写真です。この子宮は膿の溜まりは少ない方です。

別の例では↓
ぱいおめとら



すごいですよね。
術後に撮った写真のためこの写真ではだいぶしぼんでしまいましたが、お腹の中ではもっとパンパンの水風船のようになっていることが多いです。

そして子宮に膿がたまっている期間が長い程、全身に悪影響が出るため、この病気はなるべく早期発見早期治療をすることが望ましいです。



子宮蓄膿症の一番の予防方法は避妊手術になります。

以前、乳腺腫瘍のところでもお話ししましたが、当院では子供をとる予定がなく、長生きしてもらいたいという意味では病気の予防として避妊手術はおすすめしています。


しかし出産を検討しているため避妊手術をしたくないと考えている飼い主様なども多くいらっしゃると思います。

そのような方には診察中私はよく子宮蓄膿症を特に注意する期間についてお話ししています。

それは発情後1〜2ヶ月の期間です。
その間が一番子宮が不安定なため子宮蓄膿症に発展しやすい状態です。
その期間に何となくいつもと様子が違う、「多飲多尿」の症状が出てくるなどがありましたらなるべくお早めに動物病院に行くことをおすすめします。


以上で「多飲多尿」についてのお話を終わりにしたいと思います。

次からはまた新たなトピックをお話ししていきます。




症状から考える病気 第1弾『食欲異常』にをご覧になりたい方はこちらへ

参考文献:徴候からみる鑑別診断 学窓社
     小動物医学 鑑別診断と治療  LLL Seminar

こものたち 004



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