院長のつぶやき84 「がん」と向き合うために知っておくべきこと ⑦

前回の続きです!

それでは今回は化学療法についてお話ししたいと思います。


<化学療法>

利点
・全身療法である。
・外科療法のような手術後の身体的障害がない。

欠点
・副作用がある。
・抗がん剤が効きづらくなってくる。(耐性ができてくる。)
・長期的な治療が必要である。
・腫瘍自体を縮小させる効果は少ない。


化学療法とは抗がん剤による治療のことです。
この抗がん剤による治療をメイン行うのは、リンパ腫など抗がん剤の効果が高い特定の『がん』に対してのみで、基本的には抗がん剤は『がん』に対しては悪化、再発を防いでいくときに使うことが多いです。

具体的にどのような抗がん剤の使用例があるかというと、

・悪性腫瘍で手術によって完全に切除することが難しい場合。
・外科手術をしたあとに「がん」が残っていた場合。
・リンパ節や他の臓器にすでに転移が認められる場合。
など

このようなときに抗がん剤による治療をすると、その「がん」を抑え込むことが可能です。


一般的に抗がん剤は変化の多い細胞(分裂の激しい細胞)に効果が高く、固形の「がん」(分裂の少ない細胞)には効果が低い
と言われています。

固形の「がん」とはつまり「できもの」として皆様が気づき、動物病院に相談するときの状態のことです。

こんなことを言うと絶望的に思ってしまうかもしれませんがそれが現実なんです。
もう一度はじめのグラフをご覧下さい。

がん曲線

今回のトピックののところで、人が発見できる「がん」の大きさである10の9乗個になるまで「がん」は急速に成長し、10の9乗個以降はその成長はゆっくりになっていく。

というお話をしたと思いますが、10の9乗個になるまでの急激な成長のときには、「がん」細胞は前回説明をした『細胞周期』をほぼ休むことなくぐるぐる回転させ、「がん」細胞をどんどん増やしていきます。

細胞周期あ


この急激な成長過程のときには抗がん剤はとても良く効いてくれます。
しかしこのときは見た目では「がん」を発見できないため抗がん剤を行うことは難しいのが実際のところです。


そして「がん」の大きさが10の9乗個以上になってくると「がん」の成長はゆっくりになってきます。そのため「がん」細胞の細胞周期の回転が弱まり、分裂しなくなるG0期(休止期)に入ってしまう「がん」細胞も多くなってきてしまいます。

その頃には「がん」は発見できるのですが、逆に「がん」自体は分裂が少なくなるため抗がん剤が既に効きづらい状態になっているのです。




それでは「がん」を発見した時点で抗がん剤を行っても意味がないのでは?


と思う方もいるかもしれません。

しかしもちろんですがそんなことはなく、あることをすることで実際には抗がん剤に効果を持たせることが可能になるのです。

そのあたりは次回またお話ししたいと思います。

つづく


参考文献
犬と猫の腫瘍学 interzoo
日本獣医がん学会 講演要旨集



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