ベイタウンペットクリニックBlog
ベイタウンペットクリニックのブログです。 主に病院からのお知らせ、ちょっとしたことや日々のことなどを配信しております。
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院長のつぶやき79 「がん」と向き合うために知っておくべきこと ②
前回の続きです!
それでは今回より「がん」についての基本的なお話についてしていきたいと思います。
以前の『乳腺腫瘍』の院長のつぶやきのところで「がん」とは何かということをお話ししました。
もう一度簡単にお伝えしますと、
「がん」とは、
『組織の異常増殖によってできた塊』
のことで、体の中の細胞には一つ一つ寿命があり、その細胞たちが一定期間で古いものが新しいものと置き換わっていくというプログラムが、何かしらの原因で故障しまい、本来はなくなっていく細胞たちがそのまま増殖し続けるようになっていくことでその細胞の塊が『がん』となっていきます。
その「がん」に関して今回お話ししたいのが、
「がん」が見た目で分かる大きさぐらいになるまでに体の中でどのような経過をたどっているのか?
ということです。
まずこちらの図をご覧下さい。↓

ちょっと分かりづらいかもしれませんが、
縦線が「がん」の細胞数を示し、横線が時間を表しています。
しかも注目してほしいのが、癌細胞数の数値が1乗ずつ増えている、つまり一目盛りで癌細胞数が10倍になっていることを表しているところです。
そしてグラフにも書かれていますが、「初めて触診できる腫瘍」が1gの塊であり、その時点での癌細胞数が10の9乗個と言われています。
つまり発見時にはすでに10億個の「がん」細胞があるわけです。
1gの塊というのがどれくらいかというとだいたい「人の指先」ぐらいの大きさです。
そして10の9乗個の段階で見つかった「がん」細胞は、10の12乗(1kg)になるとそのペットは死に至ると言われています。
またこのグラフを見て分かる通り、「がん」は発見される前、つまり10の9乗個になるまでに急速に増殖をし、10の9乗個から死に至る10の12乗個までは今までの流れと比べるととてもゆっくり成長していきます。
これがどういうことを示しているかというと、
「がん」は発見した時点ですでにほぼ完成されていて致死量に向けての最後の成長のカーブにさしかかっているところなのです。
「がん」の一生を壁掛け時計に例えると、
0時に生まれ、12時にそのペットを死に至らしめるとすると、
獣医師や飼い主様がその「がん」を発見した時点でつまり9時を過ぎており、もう死に至るまでの時間が3時間を切っているのです。
つまり「がん」を発見した時点ですでに体は「がん」に大きく負けているところから治療が始まるのです。
そのため、イメージでは「がん」ができるとすぐ亡くなってしまうと思われていますが、
実際には「がん」は見た目ではっきりと分かるようになる前に体の中で着実に力をつけていっているのです。
人間の「がん」ではこのグラフの10の9乗個に至るまでは5年以上の年月がかかると言われています。
人間で5年以上だとすると、犬や猫だともっと短いとは思いますが、少なくともその期間は見た目では全く分からず、ペットたちは元気いっぱいなため、「がん」というのはとても厄介なのです。
つづく
参考文献
犬と猫の腫瘍学 interzoo
第2回 日本獣医がん学会 講演要旨集
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のことで、体の中の細胞には一つ一つ寿命があり、その細胞たちが一定期間で古いものが新しいものと置き換わっていくというプログラムが、何かしらの原因で故障しまい、本来はなくなっていく細胞たちがそのまま増殖し続けるようになっていくことでその細胞の塊が『がん』となっていきます。
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ということです。
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しかも注目してほしいのが、癌細胞数の数値が1乗ずつ増えている、つまり一目盛りで癌細胞数が10倍になっていることを表しているところです。
そしてグラフにも書かれていますが、「初めて触診できる腫瘍」が1gの塊であり、その時点での癌細胞数が10の9乗個と言われています。
つまり発見時にはすでに10億個の「がん」細胞があるわけです。
1gの塊というのがどれくらいかというとだいたい「人の指先」ぐらいの大きさです。
そして10の9乗個の段階で見つかった「がん」細胞は、10の12乗(1kg)になるとそのペットは死に至ると言われています。
またこのグラフを見て分かる通り、「がん」は発見される前、つまり10の9乗個になるまでに急速に増殖をし、10の9乗個から死に至る10の12乗個までは今までの流れと比べるととてもゆっくり成長していきます。
これがどういうことを示しているかというと、
「がん」は発見した時点ですでにほぼ完成されていて致死量に向けての最後の成長のカーブにさしかかっているところなのです。
「がん」の一生を壁掛け時計に例えると、
0時に生まれ、12時にそのペットを死に至らしめるとすると、
獣医師や飼い主様がその「がん」を発見した時点でつまり9時を過ぎており、もう死に至るまでの時間が3時間を切っているのです。
つまり「がん」を発見した時点ですでに体は「がん」に大きく負けているところから治療が始まるのです。
そのため、イメージでは「がん」ができるとすぐ亡くなってしまうと思われていますが、
実際には「がん」は見た目ではっきりと分かるようになる前に体の中で着実に力をつけていっているのです。
人間の「がん」ではこのグラフの10の9乗個に至るまでは5年以上の年月がかかると言われています。
人間で5年以上だとすると、犬や猫だともっと短いとは思いますが、少なくともその期間は見た目では全く分からず、ペットたちは元気いっぱいなため、「がん」というのはとても厄介なのです。
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