院長のつぶやき75 ネコちゃんの尿閉について ⑤

前回の続きです!

それでは今回、尿石症についてお話ししたいと思います。

尿石症で問題となるのはほとんどが以下の二つの結石のどちらかになります。

1)リン酸アンモニウムマグネシウム
  (ストルバイト)尿石
2)シュウ酸カルシウム尿石

犬と猫で膀胱炎に関しては前回お話ししたように原因が大きく異なりましたが、尿石症に関しては犬猫ともにこの二つの結石が原因になっていると言えます。 

結石の形成過程に関しては尿のpH(酸性、アルカリ性の指標)がとても重要になります。
犬猫の尿のpHは通常、酸性側(6.0〜6.5)に傾いているのが正常です。

pHを含めそれぞれの結石の特徴についてお話しします。

1)ストルバイト尿石
できやすい尿pH 
中性〜アルカリ性(7.0以上)

スト
顕微鏡でみえるものはこんな感じです。

スト石
実際の結石です。


治療:フード療法
尿を酸性側に傾ける作用のある食事(処方食)を食べさせることでストルバイト尿石は溶かすことができます!!
レントゲンにも映るような大きな結石が多数あり尿閉を起こす可能性がかなり高い場合は手術をして結石を摘出する必要がありますが、ある程度の大きさの結石であればこのフード療法だけで十分完治は可能です。


2)シュウ酸カルシウム尿石
できやすい尿pH 
中性〜酸性(6.5以下)


シュウ
顕微鏡で見えるものです。

シュウ石
シュウ石2
実際の結石です。



治療:フード療法 (+内科療法)
シュウ酸カルシウム結石は一度できると溶かすことはできません!!
そのためシュウ酸カルシウム結石が出た子に関してはとても注意が必要です。
ある程度大きくなってしまったシュウ酸カルシウム結石に関しては手術で取り除くしかありません。
しかしフードやお薬で新たにできる結石を予防するようなものがありますので、顕微鏡上で結晶が出ている段階の子に関しては処方食や内科療法で管理は可能になります。


最近はこのフード療法がだいぶ浸透し、一昔前に比べると重度の尿石症で尿閉になってしまう子はだいぶ少なくなったという実感があります。
特ににストルバイト尿石に関しては特定の処方食を食べ続けていれば防げます。
そのため飼い主様の中にはフードだけずっと続けていて調子が良いため動物病院には全然診察に行っていない。
そのような方がたまにいらっしゃいます。

当初ストルバイト尿石が出て問題になったので、その後処方食だけを食べ続け、様子を見ていたところ何年か後にシュウ酸カルシウム結石の尿閉になり再来院した。

そのようなケースを私は何件も経験しています。

そういう不幸な病気を防ぐためには処方食を食べていても定期的に尿検査を行うことをおすすめします!
3ヶ月や6ヶ月に一度でも良いので尿検査をしていけばそのような変化にも早期に発見できるので再尿閉してしまうような命に関わる状態になってしまうことを防ぐことができます。

また宣伝にはなってしまいますが、当院ではこのような苦い経験を知っているために独自に「フード健診」というシステムを作り、尿検査を受けやすいように、病院での定期検診を受けてもらいやすいようなサービスを行っています。是非ご利用ください。



今回詳しく説明してきました尿石症ですが、実は細菌性膀胱炎と密接に関係し合っています。
その関係性がこの下部尿路疾患が長期化してしまったり、再発を繰り返す要因でもあります。
次回はその辺りについてお話をしていきたいと思います。

つづく



参考文献:CLINIC NOTE No.69 & No.70



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