院長のつぶやき61 ネコの慢性腎不全の早期発見早期治療を目指す ③

前回の続きです!

今回は慢性腎不全のステージ分類についてお話ししていきたいと思います。

これから紹介する分類は
国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS; International Renal Interest Society)
から提唱されているものです。

この分類は血液検査でのCRE(血漿クレアチニン)の数値を元に4つのステージに分かれています。


腎臓の血液検査の項目についての解説はこちらへ


<ステージ1>
血漿クレアチニン濃度
猫 1.6 mg/dl 未満
犬 1.4 mg/dl 未満

(残存している腎機能の割合:
100 〜 33%)


高窒素血症(体の老廃物が血液中にたまってしまうこと。)はない。
通常、臨床症状(見た目で分かる症状)は無い。



<ステージ2>
血漿クレアチニン濃度
猫 1.6 〜 2.8 mg/dl
犬 1.4 〜 2.0 mg/dl

(残存している腎機能の割合:
33〜 25%)


軽度の高窒素血症
臨床症状は認められないかあるいは軽度。



<ステージ3>
血漿クレアチニン濃度
猫 2.9 〜 5.0 mg/dl
犬 2.1 〜 5.0 mg/dl

(残存している腎機能の割合:
25〜 10%)


中程度〜重度の高窒素血症
吐き気や食欲不振、貧血などの臨床症状がはっきりと現れてくる。



<ステージ4>
血漿クレアチニン濃度
猫 5.0 mg/dl  以上
犬 5.0 mg/dl  以上

(残存している腎機能の割合:
10%以下)


重度の高窒素血症
腎臓以外の全身症状も出てくる。
尿毒症の症状も発現。

参考文献:犬と猫の治療ガイド2012 interzoo

いかがでしょうか?
この分類で当てはめると、以前のお話での甘夏ちゃんは来院時にはすでにステージ2ということになります。

実際、ほとんどの猫ちゃんがこのステージ2以上の段階で発見されています。
しかしステージ2までくると上記の通り残存している腎機能は33%以下になっているということです。
そのためこの時点からどんなに治療をしたとしても残りの70%ぐらいの腎機能を元に戻すことはできないのでその残された30%程の腎機能をいかに悪化させないかを考えていくしか無いのです。

猫ちゃんの長生きのためにはいかに慢性腎不全とうまく付き合っていくことができるかによって決まる!

そのようにいっても過言ではないと私は思っています。

次回からはより慢性腎不全の早期発見に焦点を絞り、今回のIRISの分類におけるステージ1についてもう少し詳しくお話ししていきたいと思います。

つづく





<お知らせ>

第2回目デンタルセミナーのお知らせ

セカンドオピニオンについて

新しいフードサービス始めます!

当院でのペットの健康管理について

※いままでの『院長のつぶやき』をご覧になりたい方はこちらへどうぞ
 → つぶやきのまとめ


期間限定キャンペーンのお知らせ>
秋健診のお知らせ

秋のフィラリア予防キャンペーン

冬のデンタルキャンペーン

ねこちゃん健康 CHECK  

関連記事
プロフィール

ベイタウンペットクリニック

Author:ベイタウンペットクリニック
ベイタウンペットクリニックです。
当院では皆様の大切な家族をサポート、飼い主様との十分なコミュニケーションをとり楽しいペットライフを提供するとともに地域密着ホームドクターを目指しています。

☆初めての方はこちらへ
☆お知らせ
☆記事まとめ
ホテルまとめ
ねこのぺーじ
セミナー参加報告
いろいろな病気の解説をしています↓
院長つぶやきまとめ
☆地域猫募金について
最新記事
カテゴリ
おすすめサイト
ツイッターやってます!

ランキング


にほんブログ村 その他ペットブログ 動物病院・獣医へ

blogramで人気ブログを分析
アクセスカウンター