院長のつぶやき56 乳腺腫瘍について ⑦

前回の続きです。

乳腺腫瘍の切除の方法ですが、前回の腫瘍外科の基本の通り、

腫瘍の取り残しが無いように確実に切除する。

というのが原則です。

しかし、乳腺組織というのはちょっと厄介な組織なので、単純にその腫瘍だけを取れば解決とはいかない場合もあるんです!

できるだけ理解して頂きやすいように順を追って説明をしていきたいと思います。




犬・猫はそれぞれ4〜5対の乳腺を持っています。
こんな感じです。 ↓

乳腺1





通常、一つだけの腫瘍が存在しているときはその乳腺組織の部分のみを切除すれば良いと考えますよね。
そのためこのような腫瘍を ↓

乳腺2



このように切除すると考えます。




しかしここで考えなければいけないのは、

乳腺組織はそれぞれがリンパ管などでつながっている。

ということです。


つまり一つの乳腺に腫瘍ができるとその腫瘍は他のつながっている乳腺にも移っていく可能性があるということです。

せっかく手術をしてもその後しばらくしてからまた新たな腫瘍ができてくる。

そんなことも乳腺は十分考えられる組織なんです!

厄介ですよね・・・。


そのため乳腺では『拡大切除』という考えが知られています。

つまり乳腺の片側もしくは両側のすべての乳腺を切除するという切除方法です。

またまた絵で説明をしますと、

腫瘍3



このような状態です。

はじめからこのような拡大切除をしていくかどうかは実際その獣医師の判断により異なってくる場合が多いです。
そのためどこまでの手術をするのか?に関しては主治医の先生とよく相談してもらうのが良いと思います。

ちなみに私の場合は1つの腫瘍のみのときは飼い主様との話し合いにもよりますが、通常はその乳腺を中心とした部分切除を行っています。
片側に何個かの乳腺腫瘍が存在している場合は片側乳腺全切除術を行い、両側にまんべんなく乳腺腫瘍が散らばって存在しているときは可能であれば両側乳腺全切除術を行い、難しい場合は片側乳腺全切除術と部分切除を組み合わせる形で手術を行っています。


乳腺腫瘍の切除方法ご理解いただけたでしょうか?



今回、手術で乳腺のしこりを無事切除することができました。

切除した腫瘍はそのあと病理組織検査に送り、この腫瘍が良性か悪性か、またマージンが大丈夫かどうかなどを診断してもらいます。
そしてその病理検査を見たうえで、その後の治療方針を決めていくようになります。

そのあたりを次回お話していきたいと思います。

つづく



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