ベイタウンペットクリニックBlog
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無麻酔でできる新しい歯周病治療「プラズマ治療器」について
どうも!院長です。
最近当院に来られた方はもうご存じかもしれませんが、
当院では無麻酔でできる新しい歯周病治療
プラズマ治療
が行えることになりました!
まだご存じない方も多いと思いますので、今回はプラズマ治療器について詳しくお話ししたいと思います。
プラズマ治療器(Pidi)とは?
プラズマ治療器とは麻酔なしで歯肉炎などを改善できる新しい治療器です。
日本では2021年に農林水産省の許可を取得した新しい医療機器で、
① 犬の歯肉炎の軽減効果
② 口臭の低減効果
が認められています。

『プラズマ』
という言葉を皆さんはご存じでしょうか?
私には全く聞きなれない言葉だったので調べたところ、
固体、液体、気体に次ぐ物質の第4の状態を『プラズマ』
というようです。
そのプラズマを医療用にしたのが、今回紹介しています
プラズマ治療器『Pidi』
です。
プラズマ治療は照射した部位の炎症を抑える効果があるため、それを犬の歯周病治療に利用しています。
プラズマ治療っていったいどんなことをするの?
炎症を起こしている歯肉に1か所当たり15秒間照射します。
照射回数は1週間に1回で合計4回の照射が目安です。
そしてこの4回の照射を行うと個体差はありますが、
その効果は6か月間持続する
と言われています!!

プラズマ治療の様子
私は『プラズマ』と聞いた時、
電気のようなしびれる感じがするのかなぁ?
とイメージしていましたが、
実際自分の手に当ててみると、しびれるような刺激はもちろん全くなく、
ただ弱い風が当たっているような感覚です。
これまで多くのワンちゃんの歯肉にも照射しましたが、嫌がる子はほとんどなく、
診察中に口の中を見せてくれるようなワンちゃんであればほとんどの子がこのプラズマ治療を受け入れてくれました。
プラズマ治療器(Pidi)のメリット・デメリット
プラズマ治療のメリット・デメリットについてそれぞれ以下に解説していきます。

メリット①:麻酔が不要で動物への負担がほとんどない
プラズマ治療は歯肉炎のある部位に1か所当たり15秒照射していく治療です。
弱い風を当てるだけなので口を開けてじっとできる子であれば、麻酔は必要なく処置は可能です。
そのため年齢や犬種に関わらず治療が可能です!
メリット②:処置が難しくなく短時間でできる
プラズマ治療は1か所15秒で歯肉炎がある歯肉にそれぞれ照射していきます。
そのため難しい技術は必要なく、歯肉炎の程度にもよりますが5分ほどで1回の処置を終えることが出来ます。
メリット③:歯肉炎や口臭をおさえることができる
プラズマ治療(週1回、合計4回の照射)で歯肉炎、口臭は1回目、2回目の照射まではあまり変化を実感できることは少ないのですが、3回目、4回目には、歯肉炎、口臭ともに改善傾向が認められることが多いです。
メリット④:歯石除去後に行うとより効果大
プラズマ治療器の有効性を調べた試験によると、4回の照射を終えるころには歯肉炎や口臭を抑える効果はありますが、
歯周炎(歯を支える骨を溶かし、歯をグラグラにさせてしまうほどの重度な炎症のこと)は4回目後にも改善傾向は認められなかったそうです。
ただ別の有効性試験では、麻酔下での歯石除去を実施したあとにプラズマ治療(週1回、合計4回の照射)を行ったところ
口臭、歯肉炎の改善傾向は6か月間持続し、そしてプラズマ治療だけでは改善できなかった歯周炎も改善が認められたそうです!
つまり歯周病の子にプラズマ治療を行うだけでも治療効果があるのですが、歯石除去と組み合わせて行うことでより重度の炎症である歯周炎の改善まで期待できるということです!
これは歯科治療の新たな選択肢として十分な効果が期待できると言えます。
メリット⑤:皮膚炎や耳の腫れの治療にも応用が可能
プラズマ治療器はすでに人医療でも利用されており、人医療では歯肉炎以外にも創傷治癒などの体表面の炎症を取る効果が認められています。
犬ではまだ適応外使用ではありますが、皮膚の炎症や耳の腫れにも効果が期待されています。

デメリット①:処置中じっとできないと施術ができない
プラズマ治療は歯肉に直接弱い風を当てるため、普段から口周りを触らせないような子やプラズマ治療の風を嫌がる子には行うことが出来ません。
デメリット②:歯石を取ることはできない
よく飼い主様から質問をされるのですが、残念ながらこのプラズマ治療器では歯石を除去する効果はありません。
あくまで歯肉炎や口臭を改善させる治療になります。
デメリット③:プラズマ治療だけでは重度の歯周病には対応できない
メリット④のところでもお伝えしましたが、プラズマ治療単独では重度の歯周病を改善できるほどの効果はありません。
ただし麻酔下の歯石除去を併用することで重度の歯周病の子をより良く維持することは可能です。
プラズマ治療はこれまで歯石除去や歯磨きだけでは弱かった歯肉炎や口臭対策に効果がある画期的な治療です。
口周りを嫌がってしまう子には行うことは難しいですが、麻酔不要で、短時間で終わり動物への負担もほとんどありません。
そのため私はメリットの方が大きい治療だと思っています。
プラズマ治療器(Pidi)という新たな歯周病治療の選択肢
当院ではワンちゃんや猫ちゃんの健康な状態を保ち病気にさせない取り組みとして予防医学を推奨しています。
その一環として以前より歯科治療に力を入れてきました。
これまで歯石除去や歯磨き、デンタルケアグッズを駆使して歯周病ケアに取り組んできましたが、今回プラズマ治療という新たな選択肢が増えたことで治療の幅が大きく広がりました。
そのため
・愛犬の口臭が気になる
・歯周病ケアをしたいが麻酔が心配
・自宅で歯磨きができず、歯周病が心配
・老犬で口を痛がっているが、なるべく負担をかけるような処置をしたくない
など歯石除去と歯磨き、デンタルケアグッズだけでは補いきれなかった歯周病の悩みに対する治療が可能になりました!
特に麻酔をかけずに治療ができるのがこのプラズマ治療器の最大のメリットです!
当院ではこれから歯周病の治療や、口腔内環境維持のための新たな選択肢として
このプラズマ治療を活用していきます。
プラズマ治療に関して興味を持った方は当院までお気軽にご相談ください。

最近当院に来られた方はもうご存じかもしれませんが、
当院では無麻酔でできる新しい歯周病治療
プラズマ治療
が行えることになりました!
まだご存じない方も多いと思いますので、今回はプラズマ治療器について詳しくお話ししたいと思います。
プラズマ治療器(Pidi)とは?
プラズマ治療器とは麻酔なしで歯肉炎などを改善できる新しい治療器です。
日本では2021年に農林水産省の許可を取得した新しい医療機器で、
① 犬の歯肉炎の軽減効果
② 口臭の低減効果
が認められています。

『プラズマ』
という言葉を皆さんはご存じでしょうか?
私には全く聞きなれない言葉だったので調べたところ、
固体、液体、気体に次ぐ物質の第4の状態を『プラズマ』
というようです。
そのプラズマを医療用にしたのが、今回紹介しています
プラズマ治療器『Pidi』
です。
プラズマ治療は照射した部位の炎症を抑える効果があるため、それを犬の歯周病治療に利用しています。
プラズマ治療っていったいどんなことをするの?
炎症を起こしている歯肉に1か所当たり15秒間照射します。
照射回数は1週間に1回で合計4回の照射が目安です。
そしてこの4回の照射を行うと個体差はありますが、
その効果は6か月間持続する
と言われています!!

プラズマ治療の様子
私は『プラズマ』と聞いた時、
電気のようなしびれる感じがするのかなぁ?
とイメージしていましたが、
実際自分の手に当ててみると、しびれるような刺激はもちろん全くなく、
ただ弱い風が当たっているような感覚です。
これまで多くのワンちゃんの歯肉にも照射しましたが、嫌がる子はほとんどなく、
診察中に口の中を見せてくれるようなワンちゃんであればほとんどの子がこのプラズマ治療を受け入れてくれました。
プラズマ治療器(Pidi)のメリット・デメリット
プラズマ治療のメリット・デメリットについてそれぞれ以下に解説していきます。

メリット①:麻酔が不要で動物への負担がほとんどない
プラズマ治療は歯肉炎のある部位に1か所当たり15秒照射していく治療です。
弱い風を当てるだけなので口を開けてじっとできる子であれば、麻酔は必要なく処置は可能です。
そのため年齢や犬種に関わらず治療が可能です!
メリット②:処置が難しくなく短時間でできる
プラズマ治療は1か所15秒で歯肉炎がある歯肉にそれぞれ照射していきます。
そのため難しい技術は必要なく、歯肉炎の程度にもよりますが5分ほどで1回の処置を終えることが出来ます。
メリット③:歯肉炎や口臭をおさえることができる
プラズマ治療(週1回、合計4回の照射)で歯肉炎、口臭は1回目、2回目の照射まではあまり変化を実感できることは少ないのですが、3回目、4回目には、歯肉炎、口臭ともに改善傾向が認められることが多いです。
メリット④:歯石除去後に行うとより効果大
プラズマ治療器の有効性を調べた試験によると、4回の照射を終えるころには歯肉炎や口臭を抑える効果はありますが、
歯周炎(歯を支える骨を溶かし、歯をグラグラにさせてしまうほどの重度な炎症のこと)は4回目後にも改善傾向は認められなかったそうです。
ただ別の有効性試験では、麻酔下での歯石除去を実施したあとにプラズマ治療(週1回、合計4回の照射)を行ったところ
口臭、歯肉炎の改善傾向は6か月間持続し、そしてプラズマ治療だけでは改善できなかった歯周炎も改善が認められたそうです!
つまり歯周病の子にプラズマ治療を行うだけでも治療効果があるのですが、歯石除去と組み合わせて行うことでより重度の炎症である歯周炎の改善まで期待できるということです!
これは歯科治療の新たな選択肢として十分な効果が期待できると言えます。
メリット⑤:皮膚炎や耳の腫れの治療にも応用が可能
プラズマ治療器はすでに人医療でも利用されており、人医療では歯肉炎以外にも創傷治癒などの体表面の炎症を取る効果が認められています。
犬ではまだ適応外使用ではありますが、皮膚の炎症や耳の腫れにも効果が期待されています。

デメリット①:処置中じっとできないと施術ができない
プラズマ治療は歯肉に直接弱い風を当てるため、普段から口周りを触らせないような子やプラズマ治療の風を嫌がる子には行うことが出来ません。
デメリット②:歯石を取ることはできない
よく飼い主様から質問をされるのですが、残念ながらこのプラズマ治療器では歯石を除去する効果はありません。
あくまで歯肉炎や口臭を改善させる治療になります。
デメリット③:プラズマ治療だけでは重度の歯周病には対応できない
メリット④のところでもお伝えしましたが、プラズマ治療単独では重度の歯周病を改善できるほどの効果はありません。
ただし麻酔下の歯石除去を併用することで重度の歯周病の子をより良く維持することは可能です。
プラズマ治療はこれまで歯石除去や歯磨きだけでは弱かった歯肉炎や口臭対策に効果がある画期的な治療です。
口周りを嫌がってしまう子には行うことは難しいですが、麻酔不要で、短時間で終わり動物への負担もほとんどありません。
そのため私はメリットの方が大きい治療だと思っています。
プラズマ治療器(Pidi)という新たな歯周病治療の選択肢
当院ではワンちゃんや猫ちゃんの健康な状態を保ち病気にさせない取り組みとして予防医学を推奨しています。
その一環として以前より歯科治療に力を入れてきました。
これまで歯石除去や歯磨き、デンタルケアグッズを駆使して歯周病ケアに取り組んできましたが、今回プラズマ治療という新たな選択肢が増えたことで治療の幅が大きく広がりました。
そのため
・愛犬の口臭が気になる
・歯周病ケアをしたいが麻酔が心配
・自宅で歯磨きができず、歯周病が心配
・老犬で口を痛がっているが、なるべく負担をかけるような処置をしたくない
など歯石除去と歯磨き、デンタルケアグッズだけでは補いきれなかった歯周病の悩みに対する治療が可能になりました!
特に麻酔をかけずに治療ができるのがこのプラズマ治療器の最大のメリットです!
当院ではこれから歯周病の治療や、口腔内環境維持のための新たな選択肢として
このプラズマ治療を活用していきます。
プラズマ治療に関して興味を持った方は当院までお気軽にご相談ください。

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