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スタッフのつぶやき57 『犬の慢性腸症の新たな治療の選択肢に』

どうも!
院長です。

先日私は犬の慢性腸症についてのセミナーに参加してきました。

セミナータイトルは

「動物再生医療・細胞治療セミナー
それってIBDですか?イヌの慢性腸症の新たな血液マーカーと治療法」

でした。
犬の慢性腸症は、慢性的な下痢などお腹の症状が続く腸炎で、注射や投薬による治療でも完全に良くすることはできないとてもやっかいな病気です。

場合によっては衰弱死にもつながる可能性もあるため、私達獣医師としては現状の慢性腸症の治療以外の新しい治療の選択肢が増えれば、この病気になったワンちゃんを救う手立てが増えることにもなるため、今回のセミナーはとても興味深く聞かせていただきました。

セミナーの内容としては慢性腸症に関する診断や治療、病理診断の現状などさまざまな最新の知識を学ぶことができました。

その中で今回の新しい治療とは

イヌの脂肪由来間葉系幹細胞を慢性腸症のワンちゃんに注射する細胞治療

でした。

間葉系幹細胞は、体内で
① 免疫バランスの調整
② 抗炎症作用
③ 細胞分裂の促進、組織修復
などの働きをするため、現在さまざまな難治性の病気に対してこの細胞治療が試されています。

そして今回のメインテーマである慢性腸症においても、すべてのワンちゃんに効果があるわけではないようなのですが、今までの治療で良くすることができなかったワンちゃんが実際に改善するデータも出ており、この細胞治療の今後の可能性が期待できる内容でした。


ワンちゃんの下痢についての診察は、当院でもほぼ毎日のようにあります。

その下痢の診察の中で通常の治療をしても治りが悪いのが今回学んだ、慢性腸症のことが多く、そのワンちゃんが治らないまま徐々に衰弱していく様子はとてもつらいものがあります。

そのような時に治療の選択肢として今回の細胞治療ができると新たな希望にもなります。

今回のセミナーは日々の治療に役立つとても内容の濃いセミナーでした。


当院はマンション群のなかにある小さな動物病院です。
そのため大きな病院のような高度医療は行うことはできません。
しかし獣医師が診察をする上で、最新の治療や検査などの知識があれば適切な治療を行うことができますし、場合によっては迅速に2次診療施設を紹介することも出来ます。
動物達の病気は、飼い主様が連れてくる頃にはある程度進行していることも多いため、病気の早期発見早期治療など初期対応がとても大事になってきます。
今後も最新の知識を学ぶ意識は持ち続け、「最初にこの動物病院に診てもらえれば安心」と頼っていただけるホームドクターになれるように日々努力していきたいと思います。

以上、院長でした。


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