院長のつぶやき178 犬のリンパ腫について③

前回の続きです!

今回はリンパ腫の発生部位と症状についてお話ししたいと思います。

リンパ腫は全身さまざまな場所に発生します。

代表的な発生部位による分類とその発生率は以下のようになります。

多中心型:リンパ腫全体の80%
縦隔型:5%
消化器型:5%
その他:10%

多中心型というのが全身のリンパ節が腫れてくるということで気づくことができる一番多いリンパ腫のタイプです。

リンパ腫の分類


ご自宅でリンパ腫をなるべく早期に発見するにはこのリンパ節の腫れに気付けるかどうかとも言えます。
代表的なリンパ節の触り方に関しては

院長のつぶやき145「ご自宅でもできるワンちゃんネコちゃんの身体チェック

を参考にしてください。
このように定期的にリンパ節を触ってもらうとリンパ腫でもっとも発生頻度の高い多中心型リンパ腫に早期に気付けることができます。しかし他のリンパ腫に関してはご自宅での発見は難しいため、何かしらの症状が出ることにより動物病院で見つかることがほとんどです。

発生部位によって出てくる症状は異なります。

多中心型:局所もしくは全身のリンパ節腫脹。肝臓・脾臓の腫大。

それに伴い出てくる代表的な症状は
体重減少、元気・食欲低下、発熱、多飲多尿、腹部膨満(肝臓・脾臓の腫脹のため)、嘔吐・下痢など

があります。
そして病態が進んでいくと、血流、リンパ液の循環障害による浮腫や呼吸困難など呼吸器症状にも発展していきます。
※多中心型はリンパ節の腫れだけで他の症状が出てこないこともあります。

多中心型以外のリンパ腫では以下のような症状が出てきます。

縦隔型:前縦隔に腫瘤形成 → 胸水貯留により呼吸困難などの呼吸器症状
消化器型:腹部腫瘤 → 嘔吐、下痢、体重減少
皮膚型:皮膚腫瘍 → 急激に広がった場合は全身症状


またリンパ腫ができたことにより全身にもさまざまな悪影響が出てきます。
代表的なものとしては

・貧血
・血小板減少
・高カルシウム血症
・腫瘍細胞浸潤による多臓器不全

があります。

全身症状にまで発展すると状態を元に戻していくのはかなり難しくなってきます。
そのためなるべく早期にリンパ腫を発見することそのリンパ腫のタイプに合った適切な治療を行っていくことが大事になってきます。

つづく


<参考文献>
小動物の腫瘍診療指針 ファームプレス
犬と猫の治療ガイド2012 interzoo
Joncol特集リンパ腫最前線2008 ファームプレス 
小動物腫瘍科専門医 Oncology インターズ―

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