ベイタウンペットクリニックBlog
ベイタウンペットクリニックのブログです。 主に病院からのお知らせ、ちょっとしたことや日々のことなどを配信しております。
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内分泌疾患とストレス
どうも!院長です。
先日私は株式会社モノリス主催のセミナーに参加してきました。
「臨床サポートセミナー 内分泌疾患編」
内容:甲状腺疾患、副腎疾患、糖尿病
〜 診断アプローチから治療、コントロール方法について 〜
リポタンパクの活用方法
講師:左向敏紀 教授(日本獣医生命科学大学)
今回のセミナーは、高齢の犬猫で常に気をつけなければいけない内分泌疾患のお話でした。
犬の甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、糖尿病
猫の甲状腺機能亢進症、糖尿病
このすべての内容を約3時間半に詰め込んだセミナーだったため、とても濃い内容で勉強になりました。
それぞれの病気はとても奥深くまたそれぞれが密接に関連していることもあり、簡単に説明できない内容なのでまた機会を作ってこのブログでもお話ししていけたらと思っています。
そんなセミナーで今回皆様にお伝えしたいことは、
内分泌疾患を持つワンちゃん、ネコちゃんにはなるべくストレスをかけてはいけない!
ということです。
私も何度か経験がありますが、たとえ治療で症状が安定していても過剰なストレスをかけると急変する可能性があります。
例として紹介されていたのが、11歳のミニチュアシュナウザーで副腎皮質機能亢進症の治療をしている子のお話でした。
その子は1年半前から副腎皮質機能亢進症の治療をとっており、安定していました。
そして大学病院での経過の診察を受けた1週間後、初めて行く犬の美容室でトリミングを行ったそうです。
トリミング後のその夜から2日間食欲不振や下痢・嘔吐が起こり、ホームドクターを受診したそうです。
ホームドクターでは症状に応じた応急処置をしたものも改善せず。
そのため血液検査を実施すると、副腎皮質機能亢進症特有の電解質の乱れが起きていたため、乱れを補正する治療を実施し、ようやく落ち着いてくれた。
このような例でした。
結果として改善してくれたので良かったのですが、安定している状態でもこのような急変は常に起こり得るのです。
ワンちゃんネコちゃんへのストレスは体内で分泌されている副腎皮質ホルモンの量に変化を及ぼし、そのホルモンの乱れから体にとても悪影響を起こします。
今回の例は初めて行ったトリミングということですが、ストレスがかかることであればどんな状況でも起こりえます。
特に臆病な子や、高齢な子、神経質な子などは、イベントや環境の変化などがストレスにつながります。
そのため日頃から愛犬愛猫がどういう状況でストレスを感じるのかを把握しておくことは重要です。
場合によってはストレスを軽減させるために行動療法などを行うことで内分泌疾患のコントロールがつきやすくなるのではないかともいわれていました。
参考にして頂ければ幸いです。
またもう一つ気になったお話としては、
糖尿病の子で食餌療法や運動療法をしても血糖値が下がらないのは歯周病のせいかもしれない。
というお話です。
糖尿病を悪化させる要因としては
『炎症』と『ストレス』
の関与が大きいそうです。
ストレスは前述の通り体内のホルモンを乱れさせるため、糖尿病の子でも多大な悪影響を与えます。
特に猫に関しては興奮やストレスによってすぐに高血糖になってしまいます。
また炎症はインスリン抵抗性を発現させ、糖尿病をより悪化させていきます。
セミナー内では、糖尿病猫に歯科処置をすることでインスリン投与量を減らすことができた例を紹介していました。
炎症は歯周病以外にもさまざまなところで起きていますが、特に高齢になってきてからの歯周病は実は体の様々なところに悪影響を及ぼしていることがあります。
そのため私としては若いうちからぜひ歯のケアを行っていき、病気の予防につなげていってほしいと思っています。
当院ではそのような考えから積極的に総合的なデンタルケアをご提案していますので、お気軽にご相談ください。
以上セミナー報告でした。
またセミナーに参加した際は皆様に報告したいと思います。
過去のセミナー参加報告はこちらへ
<お知らせ>
冬のデンタルキャンペーン始まりました!

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※いままでの『院長のつぶやき』をご覧になりたい方はこちらへどうぞ
→ つぶやきのまとめ
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〜 診断アプローチから治療、コントロール方法について 〜
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講師:左向敏紀 教授(日本獣医生命科学大学)
今回のセミナーは、高齢の犬猫で常に気をつけなければいけない内分泌疾患のお話でした。
犬の甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、糖尿病
猫の甲状腺機能亢進症、糖尿病
このすべての内容を約3時間半に詰め込んだセミナーだったため、とても濃い内容で勉強になりました。
それぞれの病気はとても奥深くまたそれぞれが密接に関連していることもあり、簡単に説明できない内容なのでまた機会を作ってこのブログでもお話ししていけたらと思っています。
そんなセミナーで今回皆様にお伝えしたいことは、
内分泌疾患を持つワンちゃん、ネコちゃんにはなるべくストレスをかけてはいけない!
ということです。
私も何度か経験がありますが、たとえ治療で症状が安定していても過剰なストレスをかけると急変する可能性があります。
例として紹介されていたのが、11歳のミニチュアシュナウザーで副腎皮質機能亢進症の治療をしている子のお話でした。
その子は1年半前から副腎皮質機能亢進症の治療をとっており、安定していました。
そして大学病院での経過の診察を受けた1週間後、初めて行く犬の美容室でトリミングを行ったそうです。
トリミング後のその夜から2日間食欲不振や下痢・嘔吐が起こり、ホームドクターを受診したそうです。
ホームドクターでは症状に応じた応急処置をしたものも改善せず。
そのため血液検査を実施すると、副腎皮質機能亢進症特有の電解質の乱れが起きていたため、乱れを補正する治療を実施し、ようやく落ち着いてくれた。
このような例でした。
結果として改善してくれたので良かったのですが、安定している状態でもこのような急変は常に起こり得るのです。
ワンちゃんネコちゃんへのストレスは体内で分泌されている副腎皮質ホルモンの量に変化を及ぼし、そのホルモンの乱れから体にとても悪影響を起こします。
今回の例は初めて行ったトリミングということですが、ストレスがかかることであればどんな状況でも起こりえます。
特に臆病な子や、高齢な子、神経質な子などは、イベントや環境の変化などがストレスにつながります。
そのため日頃から愛犬愛猫がどういう状況でストレスを感じるのかを把握しておくことは重要です。
場合によってはストレスを軽減させるために行動療法などを行うことで内分泌疾患のコントロールがつきやすくなるのではないかともいわれていました。
参考にして頂ければ幸いです。
またもう一つ気になったお話としては、
糖尿病の子で食餌療法や運動療法をしても血糖値が下がらないのは歯周病のせいかもしれない。
というお話です。
糖尿病を悪化させる要因としては
『炎症』と『ストレス』
の関与が大きいそうです。
ストレスは前述の通り体内のホルモンを乱れさせるため、糖尿病の子でも多大な悪影響を与えます。
特に猫に関しては興奮やストレスによってすぐに高血糖になってしまいます。
また炎症はインスリン抵抗性を発現させ、糖尿病をより悪化させていきます。
セミナー内では、糖尿病猫に歯科処置をすることでインスリン投与量を減らすことができた例を紹介していました。
炎症は歯周病以外にもさまざまなところで起きていますが、特に高齢になってきてからの歯周病は実は体の様々なところに悪影響を及ぼしていることがあります。
そのため私としては若いうちからぜひ歯のケアを行っていき、病気の予防につなげていってほしいと思っています。
当院ではそのような考えから積極的に総合的なデンタルケアをご提案していますので、お気軽にご相談ください。
以上セミナー報告でした。
またセミナーに参加した際は皆様に報告したいと思います。
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