院長のつぶやき6 ~ 血液検査のすすめ  肝臓編 ⑤ ~

前回の続きです。

血液検査のすすめ  肝臓編 ⑤

黄疸が出ているOGちゃん。

私は伊藤様に了承を得たうえで、血液検査と画像検査を実施しました。

その結果

ALT = 950 U/l ↑
[参考正常値:17~78]

AST = 136 U/l ↑
[参考正常値:17~44]

ALP = >3500 U/l ↑
[参考正常値:47~254]

GGT = 116 U/l ↑
[参考正常値:5~14]

TBIL = 6.8 mg/dl ↑
[参考正常値:0.1~0.5]
「黄疸(おうだん)」の原因。

※他の血液検査項目は省略

各血液検査項目の解説はこちらをご覧ください。↓
血液検査のすすめ 肝臓編①


明らかな肝機能悪化の所見が確認されました。

画像診断はレントゲン検査と超音波検査を行いました。

レントゲン検査では各臓器の大きさ、形状、位置関係、などに明らかな異常点は認められませんでした。

しかし超音波検査では胆嚢に明らかに異常が認められました。
胆嚢内は通常、さらさらとした胆汁液が貯まっているため、超音波検査上では黒い丸のように見えるのが正常です。
それがOGちゃんの胆嚢内は明らかに何かが詰まっている陰影が確認できたのでした。
円型の胆嚢の中心部から放射状に線が出ているように見え、例えるならば車の車輪のような陰影を形作っていました。
その他の肝臓・腎臓などの臓器に構造上の明確な異常は認められませんでした。

OGちゃんは、結局「胆嚢粘液嚢腫」という状態でした。

幸い胆嚢は破裂していない状態でしたので、伊藤様とお話をし、内科での入院治療を開始しました。

そして入院当初は吐き気・下痢がひどかったOGちゃんですが、徐々に改善し、二週間ほどの入院でなんとか黄疸もなくなりました。

そして現在も通院治療中です。

OGちゃんは状況からするとおそらく胆嚢の状態を悪化させないためには、生涯胆嚢に対する内服薬が必要になっていくと思われます。

「内服薬を生涯飲み続ける」

それはもう慢性疾患を抱える子の宿命です。

ただ見た目は元気食欲もありとても良い状態が維持できているので定期検診でこられるほとんどの飼い主様には満足していただいていると思います。

胆汁うっ滞の恐ろしさ分かっていただけましたでしょうか?

私はこのような命にかかわる状態になるのであれば早めに発見し、早めに治療した方が良いと思っています。

そのため当院では健診での血液検査をおすすめしています。

次はまた脇道にそれてしまいますが、今回のエピソードで確定診断につながった胆嚢の超音波検査についてお話したいと思います。

つづく





<お知らせ>
新たなフードサービス実施します!

春健診のお知らせ

猫の甲状腺検診のお知らせ

ライフステージごとの健診のすすめ




関連記事
プロフィール

ベイタウンペットクリニック

Author:ベイタウンペットクリニック
ベイタウンペットクリニックです。
当院では皆様の大切な家族をサポート、飼い主様との十分なコミュニケーションをとり楽しいペットライフを提供するとともに地域密着ホームドクターを目指しています。

☆初めての方はこちらへ
☆お知らせ
☆記事まとめ
ホテルまとめ
ねこのぺーじ
セミナー参加報告
いろいろな病気の解説をしています↓
院長つぶやきまとめ
☆地域猫募金について
最新記事
カテゴリ
おすすめサイト
ツイッターやってます!

ランキング


にほんブログ村 その他ペットブログ 動物病院・獣医へ

blogramで人気ブログを分析
アクセスカウンター