ベイタウンペットクリニックBlog
ベイタウンペットクリニックのブログです。 主に病院からのお知らせ、ちょっとしたことや日々のことなどを配信しております。
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いつ、どの治療をすればいいの?心臓病のステージと薬の選択
どうも!院長です。
先日、私はアニコム損害保険株式会社主催セミナーに参加してきました。
今回は2部構成になっていたので、2回に分けて報告したいと思います。
成長指向の方のためのLecture Class
第1部
いつ、どの治療をすればいいの?
心臓病のステージと薬の選択
講師:上地正実 先生
どうぶつ循環器病センター
※ どうぶつ循環器病センターについて
上地先生は私が学生時代に授業を受けていた先生です。
先生の授業はとても分かりやすく、そして何より常に向上心を持ち情熱溢れる先生の姿勢に私はとても尊敬をしていました。
今回そんな上地先生の講演を久々に聞くことができてとても充実した時間を過ごすことができました。
本講演の内容はまさに日々の現場で判断するべき、心臓病のステージ分類と薬の選択についてのお話でした。
当院でも心臓病で治療している子は多くいますが、その子によって当然治療は異なってきます。
今回その薬の判断基準などを分かりやすく学ぶことができたため、これからの治療に大変参考になりました。
ちょっぴり皆様にその内容をご紹介したいと思います。
現在犬の心臓病のステージングは、A〜Dまでの以下のように分類されています。
ちょっと専門的な表現かもしれませんがそのまま抜粋をします。 ↓
ステージA
心臓病に構造的異常がない
心疾患の進行に関して高い危険性がある
ステージB
心臓に構造的異常(心雑音)がある
心不全徴候が認められない。
B1:左心拡大が認められない
B2:左心拡大が認められる
ステージC
心臓に構造的異常がある
心不全徴候の既往がある
ステージD
標準的な治療に難治性を示す
末期の心不全徴候を有する
ちなみにステージAはキャバリアやダックス、プードルなどの遺伝的に心臓病のリスクが高い犬種が当てはまり、日本ではチワワ、シーズー、ヨーキー、マルチーズなども多いです。
一般的には5〜6才くらいからは注意が必要になり、8〜9才ぐらいでの心臓病の発症が特に高くなるそうです。
そして本格的に投薬での治療が必要になってくるのがステージB2からになります。
そのためステージB1からB2に移行する時期を早期に発見することが重要になります。
ガイドラインでは1年おきに定期検査が必要といわれているそうですが、上地先生の経験では1年立つとガラッと状態が変化することもあるみたいなので日本では半年に1回の定期検査が望ましいとのことでした。
ちょっと怖がらせてしまうかもしれませんが、
心臓病の症状が出てから50%の子が亡くなるまでの期間は6〜8ヶ月
80〜90%の子が亡くなるまでの期間は1年半
といわれています。
そのため心臓病の早期発見早期治療は長生きのためにはとても重要なものです。
ぜひ定期的な健康診断を習慣にしていきましょう!
上地先生は日本では数少ない小動物の心臓外科を行う先生です。
一般の動物病院で心臓が悪くなってくるとそれに伴い今回のセミナーで教わったような様々な薬を組み合わせ、
心臓を悪化させないように保っていくのが治療の基本です。
しかしそれらの治療はあくまで悪化の進行を抑えていく治療であり、良くすることまではできません。
悪化に伴って薬の種類も増え、犬たちの状態も少しずつ落ちていってしまいます。
そんな心臓病の治療の中で外科手術は心臓の状態を劇的に改善させる可能性ある治療方法になります。
心臓病のワンちゃんでなんとかしてあげたいという飼い主様がいらっしゃいましたら外科手術は今後その治療プランの中にも入ってくると思います。まずは主治医の先生とご相談されてみてはいかかでしょうか?
次回はこのセミナーの第2部についてお話しします。
つづく
過去のセミナー参加報告はこちらへ
<お知らせ>
ベイタウンペットクリニックへようこそ!
セカンドオピニオンについて
当院でのペットの健康管理について
※いままでの『院長のつぶやき』をご覧になりたい方はこちらへどうぞ
→ つぶやきのまとめ
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今回は2部構成になっていたので、2回に分けて報告したいと思います。
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第1部
いつ、どの治療をすればいいの?
心臓病のステージと薬の選択
講師:上地正実 先生
どうぶつ循環器病センター
※ どうぶつ循環器病センターについて
上地先生は私が学生時代に授業を受けていた先生です。
先生の授業はとても分かりやすく、そして何より常に向上心を持ち情熱溢れる先生の姿勢に私はとても尊敬をしていました。
今回そんな上地先生の講演を久々に聞くことができてとても充実した時間を過ごすことができました。
本講演の内容はまさに日々の現場で判断するべき、心臓病のステージ分類と薬の選択についてのお話でした。
当院でも心臓病で治療している子は多くいますが、その子によって当然治療は異なってきます。
今回その薬の判断基準などを分かりやすく学ぶことができたため、これからの治療に大変参考になりました。
ちょっぴり皆様にその内容をご紹介したいと思います。
現在犬の心臓病のステージングは、A〜Dまでの以下のように分類されています。
ちょっと専門的な表現かもしれませんがそのまま抜粋をします。 ↓
ステージA
心臓病に構造的異常がない
心疾患の進行に関して高い危険性がある
ステージB
心臓に構造的異常(心雑音)がある
心不全徴候が認められない。
B1:左心拡大が認められない
B2:左心拡大が認められる
ステージC
心臓に構造的異常がある
心不全徴候の既往がある
ステージD
標準的な治療に難治性を示す
末期の心不全徴候を有する
ちなみにステージAはキャバリアやダックス、プードルなどの遺伝的に心臓病のリスクが高い犬種が当てはまり、日本ではチワワ、シーズー、ヨーキー、マルチーズなども多いです。
一般的には5〜6才くらいからは注意が必要になり、8〜9才ぐらいでの心臓病の発症が特に高くなるそうです。
そして本格的に投薬での治療が必要になってくるのがステージB2からになります。
そのためステージB1からB2に移行する時期を早期に発見することが重要になります。
ガイドラインでは1年おきに定期検査が必要といわれているそうですが、上地先生の経験では1年立つとガラッと状態が変化することもあるみたいなので日本では半年に1回の定期検査が望ましいとのことでした。
ちょっと怖がらせてしまうかもしれませんが、
心臓病の症状が出てから50%の子が亡くなるまでの期間は6〜8ヶ月
80〜90%の子が亡くなるまでの期間は1年半
といわれています。
そのため心臓病の早期発見早期治療は長生きのためにはとても重要なものです。
ぜひ定期的な健康診断を習慣にしていきましょう!
上地先生は日本では数少ない小動物の心臓外科を行う先生です。
一般の動物病院で心臓が悪くなってくるとそれに伴い今回のセミナーで教わったような様々な薬を組み合わせ、
心臓を悪化させないように保っていくのが治療の基本です。
しかしそれらの治療はあくまで悪化の進行を抑えていく治療であり、良くすることまではできません。
悪化に伴って薬の種類も増え、犬たちの状態も少しずつ落ちていってしまいます。
そんな心臓病の治療の中で外科手術は心臓の状態を劇的に改善させる可能性ある治療方法になります。
心臓病のワンちゃんでなんとかしてあげたいという飼い主様がいらっしゃいましたら外科手術は今後その治療プランの中にも入ってくると思います。まずは主治医の先生とご相談されてみてはいかかでしょうか?
次回はこのセミナーの第2部についてお話しします。
つづく
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