ベイタウンペットクリニックBlog
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院長のつぶやき171 猫のアレルギー性皮膚炎の診断と治療について④
前回の続きです!
いままでお話ししてきた炎症を伴う皮膚病で気をつけなければいけないのが、猫が皮膚病変を気にする事で二次的に起こる感染症です。
よくある二次的な感染症としては犬と同様で細菌とマラセチアがあります。
しかし猫は犬と皮膚病変の様子が全く異なります。
猫の細菌感染では
好酸球性肉芽腫群
という特徴的な症状が出てきます。
ただこの好酸球性肉芽腫群は他に食物アレルギーや非ノミ非食物性アレルギーでも出る可能性があり、発症の仕組みはアレルギー反応と言われていてアレルギー性皮膚炎と診断された1〜3割くらいに発症すると言われています。
好酸球性肉芽腫群には3つの特徴的な症状があります。
1)無痛性潰瘍


口唇部、特に上の犬歯が当たる部分にできる潰瘍で、かゆみなどの自覚症状がないのが特徴です。
2)好酸球性局面(好酸球性プラーク)


少し盛り上がった広めの病変です。
赤くて触ると湿っています。
下腹部によく出ます。
とてもかゆいためなめ壊していることが多いです。
3)好酸球性肉芽腫(線状肉芽腫)



出る場所によって見え方が異なり、後ろ足では線上に見え、舌ではきのこのように盛り上がっています。
このような症状が出てきた際はこの好酸球性肉芽腫群を疑い治療をしていきます。
ただ複数の原因が考えられるため、細菌感染に対しての抗生物質投与、ノミに対する駆除薬の塗布、食物アレルギーに対しての除去食試験などをそれぞれ行っていき皮膚症状が改善していくかを確かめる必要があります。
ちなみにマラセチア性皮膚炎に関しては適切な抗真菌薬の投与で落ち着いてくれます。


このような細菌やマラセチアの増殖によるかゆみをしっかりと見逃さずに治療してあげる事でステロイドなどの必要以上の治療をしなくても改善する事があります。
次回は聞き慣れない方も多いと思います非ノミ非食物性アレルギーについてのお話をしたいと思います。
つづく
参考文献:アトピカ内用液新発売記念セミナー資料
アトピカ内用液新発売記念セミナーレポート
猫の皮膚科学
<お知らせ>
当院の情報をより分かりやすくお伝えするためにホームページを新しくしました!

ベイタウンペットクリニックのホームページ
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→ つぶやきのまとめ
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いままでお話ししてきた炎症を伴う皮膚病で気をつけなければいけないのが、猫が皮膚病変を気にする事で二次的に起こる感染症です。
よくある二次的な感染症としては犬と同様で細菌とマラセチアがあります。
しかし猫は犬と皮膚病変の様子が全く異なります。
猫の細菌感染では
好酸球性肉芽腫群
という特徴的な症状が出てきます。
ただこの好酸球性肉芽腫群は他に食物アレルギーや非ノミ非食物性アレルギーでも出る可能性があり、発症の仕組みはアレルギー反応と言われていてアレルギー性皮膚炎と診断された1〜3割くらいに発症すると言われています。
好酸球性肉芽腫群には3つの特徴的な症状があります。
1)無痛性潰瘍


口唇部、特に上の犬歯が当たる部分にできる潰瘍で、かゆみなどの自覚症状がないのが特徴です。
2)好酸球性局面(好酸球性プラーク)


少し盛り上がった広めの病変です。
赤くて触ると湿っています。
下腹部によく出ます。
とてもかゆいためなめ壊していることが多いです。
3)好酸球性肉芽腫(線状肉芽腫)



出る場所によって見え方が異なり、後ろ足では線上に見え、舌ではきのこのように盛り上がっています。
このような症状が出てきた際はこの好酸球性肉芽腫群を疑い治療をしていきます。
ただ複数の原因が考えられるため、細菌感染に対しての抗生物質投与、ノミに対する駆除薬の塗布、食物アレルギーに対しての除去食試験などをそれぞれ行っていき皮膚症状が改善していくかを確かめる必要があります。
ちなみにマラセチア性皮膚炎に関しては適切な抗真菌薬の投与で落ち着いてくれます。


このような細菌やマラセチアの増殖によるかゆみをしっかりと見逃さずに治療してあげる事でステロイドなどの必要以上の治療をしなくても改善する事があります。
次回は聞き慣れない方も多いと思います非ノミ非食物性アレルギーについてのお話をしたいと思います。
つづく
参考文献:アトピカ内用液新発売記念セミナー資料
アトピカ内用液新発売記念セミナーレポート
猫の皮膚科学


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