院長のつぶやき169 猫のアレルギー性皮膚炎の診断と治療について②

前回の続きです!

猫の皮膚病を診断していく上で、まずはアレルギーなのか感染症なのかを見極めていく事が大事です。

犬のかゆみを伴う皮膚病では感染症の割合が高くなっていますが、猫では感染症よりもアレルギーの方が一般的です。

そのため見逃しがないようにまずは感染症の皮膚病を除外していきます。
外に出る猫は特に感染症には注意が必要です。

一番注意が必要なのは疥癬(かいせん)です。

疥癬
疥癬

これは人や犬にも感染し、とても強いかゆみを伴います。
皮膚検査で疥癬が発見できれば良いのですが、なかなか見つからない事も多いため、他の治療をしてもかゆみが改善しない場合はこの疥癬を疑います。
疥癬に効果のある駆除剤もあるため、外に出る猫で強いかゆみを伴うなう皮膚病の場合は疥癬が見つからなくても診断的治療として駆除剤を付けていくこともあります。

外部寄生虫、感染症として他に気をつけなければいけないものとしてはノミと蚊があります。外部寄生虫としても大事ですが、これらは虫体自体がいなくなってもアレルギーとなり強いかゆみを伴う皮膚病になる事もあります。外に出る猫は特に注意が必要が、室内飼いの猫でも感染する可能性はあります。


それぞれのアレルギーの特徴についてお話ししたいと思います。


ノミのアレルギーは特徴として背中に強い症状が出ます。
そして犬の場合は背中に症状が集中するのに対し、猫は体が柔らかいので、あちこちに症状を出す可能性があります。
それでも背中には必ず特徴的な皮膚炎(粟粒性皮膚炎)の症状が出てきます。

粟粒性皮膚炎

治療はノミの駆除剤になります。
しかしノミアレルギー性皮膚炎の場合はノミ自体がいなくなってもかゆみが残ってしまう場合があり、その場合は抗アレルギー薬の投与が必要になる場合もあります。


蚊などの昆虫類に刺される事でのアレルギーは猫ちゃんではたまにあり、典型的な皮膚病変は耳に出ます。
そしてひどくなってくると足の裏の過角化が起きる事もあります。

蚊アレルギー性皮膚炎

虫さされによるアレルギーは一般的に、冬よりも暑くて湿度が高い夏の時期に、また室内飼いではなく外に出る事の多い猫に起こりやすい傾向があります。

そして耳に症状が出やすいのは理由があります。
虫が寄ってきやすいのは、毛が多い体の部分よりも、毛が薄くて地肌に近い先端部であるため、発症部位もそこに出やすくなります。そのため猫ちゃんの場合だと耳や鼻先などの毛の薄いところに発症することが多くなります。

昆虫アレルギー


また蚊に関しては黒色の猫に寄ってきやすい性質を持つそうです。そのため片耳が白く、もう片耳が黒い猫では黒耳のほうが症状が重くなります。

アレルギー性皮膚炎


蚊のアレルギー性皮膚炎はとてもかゆがります。そのため治療はステロイドの投与が必要な場合が多いです。

完全室内飼いの猫ちゃんでも家の中で蚊を見る事がある場合はこの蚊アレルギー性皮膚炎は起こる可能性はあります。上記の写真のような皮膚病変を見つけた際はお早めに動物病院までご相談ください。

つづく



参考文献:アトピカ内用液新発売記念セミナー資料
     アトピカ内用液新発売記念セミナーレポート


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