院長のつぶやき4 ~ 血液検査のすすめ  肝臓編 ③ ~

前回の続きです。

血液検査のすすめ  肝臓編 ③

胆嚢(たんのう)とは、肝臓で常に作られている「胆汁」を貯蔵、濃縮するための臓器です。

通常、胆嚢は食べ物が腸を通過するときの刺激によって貯めていた胆汁を排出し、食物中の脂肪の消化吸収を助ける働きがあります。

しかし何かしらの原因によって胆汁の流れが悪くなってきてしまうと、胆汁が徐々に胆嚢内にうっ滞(正常に流れず、その場でよどみ滞留してしまうこと。)してくるようになります。

その状態がさらに続くと胆汁成分が変質して泥状のなって胆嚢内に貯まっていく「胆泥症」や、胆嚢内に過剰な粘液がたまってきてしまう「胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)」、胆汁が石状になっていく「胆石症」などに発展していくようになります。

これらの状態になり、胆嚢内に内容物が貯まりすぎてしまうと胆嚢壁の血流が悪くなり、組織が壊死をし始め最終的には破裂してしまいます。

胆嚢が破裂すると内容物がおなかの中に流れ出し、「胆汁性腹膜炎」という状態に発展してしまいます。

もしそのような状態になった場合は緊急手術として破裂した胆嚢の摘出と腹腔内の洗浄が必要で、亡くなる可能性もある危険な状態になりえます。

胆嚢破裂をする前にこの状態を発見できた際は、点滴や内服薬などの内科治療で改善する場合もあります。

しかしこのような状態になるワンちゃんはすっきり改善しないケースや再発を繰り返すことも多いため、破裂をしていない状態のうちに外科手術で胆のうを摘出する方がよいという考え方もあります。

これら「胆泥症」などは実際体の中で起きてきていても無症状のことが多い病気です。

しかし破裂などの問題が出るまで見た目での変化はほとんどありません。
(その子によってはなんとなく食欲が落ちてきた、たまに吐く、などの症状が出ますが、胆嚢に特徴的な症状というものではありません。)

そのためいったん症状が出はじめると、いままで無症状だっただけに突然具合が悪くなったように見えるのです。

胆汁うっ滞が危険な病気になりうる理由、分かっていただけたでしょうか?

このようなことがあるため胆嚢は定期検診が必要な臓器であり、病気に関しては早期発見早期治療が求められるものなんです。

もしご不明な点、より詳しくという方がいらっしゃいましたら診察の時にでも直接聞いていただければ嬉しいです。

次回は実際、胆嚢が悪化して大変なことになってしまったエピソードを皆様にお話ししたいと思います。

つづく




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