ベイタウンペットクリニックBlog
ベイタウンペットクリニックのブログです。 主に病院からのお知らせ、ちょっとしたことや日々のことなどを配信しております。
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犬の低悪性度リンパ腫
どうも!院長です。
先日、私は株式会社インターズー主催の小動物腫瘍科専門誌Veterinary Oncology創刊記念セミナーに参加してきました!
「犬の低悪性度リンパ腫」
動物リンパ腫の分類
講師:内田和幸先生(東京大学)
低悪性度リンパ腫の診断
講師:瀬戸口明日香先生(鹿児島大学)
犬の低悪性度リンパ腫治療編
講師:高橋雅先生(東京大学)
今回のセミナーの主催であるインターズーは一般の飼い主様にはほとんど馴染みがないかもしれませんが、獣医療専門の雑誌や書籍を取り扱う出版社で、獣医さんには知らない人はいないぐらい有名な会社なんです。
今回はそのインターズーから創刊された腫瘍専門誌の創刊記念セミナーという事で参加をしてきました。
「リンパ腫」
と聞くと病気の詳細は分からなくても何となく病気の名前は知っている方も多いと思います。
一方今回取り上げている
「低悪性度リンパ腫」
とはあまり飼い主様には馴染みがない病気名かも知れません。
この低悪性度リンパ種とは、この数年で研究が進んできているリンパ種のタイプです。
リンパ腫は犬において最も発生頻度の高いリンパ造血系の腫瘍です。
その治療は主に複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法での治療が行われます。
そして同じリンパ腫の中でも治療への反応が良いタイプと悪いタイプがあり、より調べていくと、他のリンパ腫の細胞より小型の細胞で、病気の進行が緩やかなタイプが存在する事が分かりました。
そのリンパ腫のタイプを病理学的な所見から低悪性度(Low -grade)リンパ腫と呼んでいます。
そして大型細胞で病気の進行が早いその他多くのリンパ腫を高悪性度(High-grade)リンパ腫と呼びます。
今回のセミナーではこの低悪性度リンパ腫の分類、診断、治療と実際の診察の現場で使える知識を学べたのでとても勉強になりました。
ちょっと前までのイメージでは、この低悪性度リンパ腫であれば無治療や比較的マイルドな治療でも長く生存する事ができ、一方の高悪性度リンパ腫ではしっかりした治療をしないと腫瘍の進行を抑える事が出来ないという様なものでした。
しかしこのセミナー内で言われた事としては、この低悪性度リンパ腫の中にも病気の進行が早いものもいるため、低悪性度だからといって安心してはいけない。
この低悪性度、高悪性度はあくまで病理学的な分類のため、低悪性度だからといって臨床的な挙動を決めつけるべきではないというお話でした。
このセミナーの最後に今回コメンテーターをされていた日本小動物がんセンターの小林哲也先生がおっしゃっていましたが、
リンパ腫の診断、治療はこの数年で大きく変わってきているため、常に最新の知識を身につけ時代の流れについていく事が大事だ
というような内容をおっしゃっていました。
その通りである、と私はこのセミナーに参加し痛感をしました。
リンパ腫は犬の腫瘍で比較的多く出てくる可能性のある腫瘍で、まだ根治できる治療は確立していません。
その病気を最前線で診ている私達獣医師が最善の治療方法を知らなければどうしようもありません。
特にこのリンパ腫に関してはこれからも診断や治療は大きく変わっていく可能性は十分にあるため、今後も日々最新の知識を自分のものにしていく努力をしていき皆様に頼っていただけるような獣医師を目指していきたいと思います。
いずれこのリンパ腫に関してはこのブログを通じて詳しくお話ししたいと思っています。
以上、セミナーの報告でした。
またセミナーに参加した際は皆様にご報告したいと思います。
過去のセミナー参加報告はこちらへ
<お知らせ>
ベイタウンペットクリニックへようこそ!
セカンドオピニオンについて
当院でのペットの健康管理について
※いままでの『院長のつぶやき』をご覧になりたい方はこちらへどうぞ
→ つぶやきのまとめ
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「犬の低悪性度リンパ腫」
動物リンパ腫の分類
講師:内田和幸先生(東京大学)
低悪性度リンパ腫の診断
講師:瀬戸口明日香先生(鹿児島大学)
犬の低悪性度リンパ腫治療編
講師:高橋雅先生(東京大学)
今回のセミナーの主催であるインターズーは一般の飼い主様にはほとんど馴染みがないかもしれませんが、獣医療専門の雑誌や書籍を取り扱う出版社で、獣医さんには知らない人はいないぐらい有名な会社なんです。
今回はそのインターズーから創刊された腫瘍専門誌の創刊記念セミナーという事で参加をしてきました。
「リンパ腫」
と聞くと病気の詳細は分からなくても何となく病気の名前は知っている方も多いと思います。
一方今回取り上げている
「低悪性度リンパ腫」
とはあまり飼い主様には馴染みがない病気名かも知れません。
この低悪性度リンパ種とは、この数年で研究が進んできているリンパ種のタイプです。
リンパ腫は犬において最も発生頻度の高いリンパ造血系の腫瘍です。
その治療は主に複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法での治療が行われます。
そして同じリンパ腫の中でも治療への反応が良いタイプと悪いタイプがあり、より調べていくと、他のリンパ腫の細胞より小型の細胞で、病気の進行が緩やかなタイプが存在する事が分かりました。
そのリンパ腫のタイプを病理学的な所見から低悪性度(Low -grade)リンパ腫と呼んでいます。
そして大型細胞で病気の進行が早いその他多くのリンパ腫を高悪性度(High-grade)リンパ腫と呼びます。
今回のセミナーではこの低悪性度リンパ腫の分類、診断、治療と実際の診察の現場で使える知識を学べたのでとても勉強になりました。
ちょっと前までのイメージでは、この低悪性度リンパ腫であれば無治療や比較的マイルドな治療でも長く生存する事ができ、一方の高悪性度リンパ腫ではしっかりした治療をしないと腫瘍の進行を抑える事が出来ないという様なものでした。
しかしこのセミナー内で言われた事としては、この低悪性度リンパ腫の中にも病気の進行が早いものもいるため、低悪性度だからといって安心してはいけない。
この低悪性度、高悪性度はあくまで病理学的な分類のため、低悪性度だからといって臨床的な挙動を決めつけるべきではないというお話でした。
このセミナーの最後に今回コメンテーターをされていた日本小動物がんセンターの小林哲也先生がおっしゃっていましたが、
リンパ腫の診断、治療はこの数年で大きく変わってきているため、常に最新の知識を身につけ時代の流れについていく事が大事だ
というような内容をおっしゃっていました。
その通りである、と私はこのセミナーに参加し痛感をしました。
リンパ腫は犬の腫瘍で比較的多く出てくる可能性のある腫瘍で、まだ根治できる治療は確立していません。
その病気を最前線で診ている私達獣医師が最善の治療方法を知らなければどうしようもありません。
特にこのリンパ腫に関してはこれからも診断や治療は大きく変わっていく可能性は十分にあるため、今後も日々最新の知識を自分のものにしていく努力をしていき皆様に頼っていただけるような獣医師を目指していきたいと思います。
いずれこのリンパ腫に関してはこのブログを通じて詳しくお話ししたいと思っています。
以上、セミナーの報告でした。
またセミナーに参加した際は皆様にご報告したいと思います。
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