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院長のつぶやき156 猫の問題行動とストレス管理について⑩

前回の続きです!


2-3.狩り
猫は獲物を食べるという行為とは別に、獲物を捕獲したいという習性があります。
つまり

空腹でなくても猫は狩りをしたいという欲求にかられてしまう動物なのです!

しかし、猫のその欲求のために他の生き物を犠牲にすることはできません。

そのため狩りをしたいという欲求を満足させる方法としては、うまく「オモチャ」を活用できると良いと言われています。

捕獲と捕食の行動を同時に満たすオモチャとしては、以前も紹介したことがある転がすとフードが出てくるようなオモチャは興味を持ってくれる猫にとっては最適です。

このフードの出るオモチャをご自宅で活用していこうと考えている飼い主様のためにもっとも良い使用方法をお伝えしたいと思います。

研究によると、フードの出るオモチャとお皿に盛られた普通のフードの両方を同時に出されると、猫は最初にお皿のフードを食べて、それをすべて食べ終わってから初めて一部の猫がフードの出るオモチャを使い追加のフードを得た、という結果が出ています。

そのことからフードが出るオモチャを使用する場合はフードの与える方法をこのオモチャのみにすると一番効果が高くなります。

言われれば当たり前のことですが、楽してフードが食べれるならあえて猫は動かない。

実に猫らしい性格を裏付ける研究結果ですよね。

フードのオモチャ以外の方法としては、フードの一部を家のどこかに隠すフードの宝探しや、フードを投げて猫に獲らせるフード狩りも捕獲の欲求を満たすには有効と言われています。


2-4.遊びと探索行動

先ほどの項目に関連してきますが、オモチャを含む「遊ぶ」という行為は捕食行動に似た感覚を猫に与えることができます。

猫の喜ぶ遊び方は、

短期集中型のアクティビティ」が良い

と言われています。

猫は長時間休憩なく遊んでもすぐに興味が低下してしまいます。

しかし「5分」とタイマーなどで時間を決めて

5分遊ぶ → 5分休む → 5分遊ぶ

と短期間(5分間)の休憩をとって遊びを続けると次の遊びへの欲求が強化されるそうです。

ただこの休憩時間を長時間(25〜45分間)にしてしまうと、次のオモチャへの興味が低下したという面白い研究結果があります。

猫は飽きっぽいので、いかに興味を引き付け続けることができるかがポイントのようですね。


また、新しい探索行動の機会を作ることで猫の興味を引くこともできます。
具体例としては、

・一週間に一つ家具の配置を換える。
・家に段ボール箱や紙袋を置く。

などです。このようなことをすると環境に新鮮さを与えて猫の探索行動の欲求を満たすことができます。
一時期、話題になったこのCMがまさにこの探検行動の典型例ではないでしょうか?↓



次回は「フードの与え方」と「理想的なトイレ」についてお話ししたいと思います。

つづく



<参考文献>
・猫ちゃんの飼い主様向けセミナー 資料
・2013 ビルバック 猫行動学セミナー 資料
・春のヒルズ学術講演会2014 資料

<関連ブログ>
キャリーケースに入って動物病院へ健診へ行こう!


猫ちゃんの通院ストレスを軽減させるためにできること 〜はじめてのキャリーケース・トレーニング〜


猫ちゃんアンケートの質問にお答えします!   




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