ベイタウンペットクリニックBlog
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院長のつぶやき152 猫の問題行動とストレス管理について⑥
前回の続きです!
それでは今回は排尿に関する問題行動を見極める上で知っておいてもらいたい泌尿器の病気についてお話ししたいと思います。
猫ちゃんの泌尿器の病気は以前このブログでもお話ししたことがある
猫下部尿路疾患(FLUTD)
です。
ご興味があれば以前お話しした関連ブログもご覧下さい! ↓
院長のつぶやき71「ネコちゃんの尿閉について」

猫下部尿路疾患は何か一つの特定の病気というわけではなく、猫の膀胱や尿道に関するすべての病気の総称になります。
病気の原因に関わらずFLUTDには以下のような特徴的な症状が出てきます。





そしてこのFLUTDの原因の内訳は以下のグラフのようになっています。↓

※猫用c/dマルチケアコンフォートリーフレットより抜粋
グラフの通り原因の50%以上が「特発性膀胱炎」と言われています。
特発性膀胱炎について詳しくは下記の関連ブログをご覧下さい。↓
院長のつぶやき「ネコちゃんの尿閉について④」
セミナー参加報告「フードでネコの特発性膀胱炎が治ります!」
特発性膀胱炎を確定診断することができる検査は現状では残念ながらありません。
しかし特発性膀胱炎はストレスが関与することが多いため、このあとお話ししていくストレス管理が治療としてとても重要になっていきます。
ただここで注意しなければいけないのは、もしも自宅のネコちゃんの排尿異常が、特発性膀胱炎以外のFLUTDの原因であった場合、ストレス管理のみをしていても治ることはもちろんなく、間違った治療をしたまま時間が経過していくと尿道閉塞など命に関わる危険な状態に発展してしまいます。
そのためFLUTDの症状が出てきた際は、始めに必ず身体検査、尿検査、画像検査などの検査を行い命に関わる病気が関与していないかを見極める必要があります。
一方このようなFLUTDとは異なり、前回お話しした「尿マーキング」や「不適切な排泄」に関しては通常、排尿障害、排尿時の痛み、血尿、頻尿の症状は出てきません。
それが病気に関する不適切な排泄と他のストレスが関与する不適切な排泄との違いになります。
いろいろ長くお話ししてきましたが、結論としては
排尿異常の症状が出てきたときはまずは動物病院で適切な検査を行い、
検査で明確な異常が見つかれば、それに対する治療を行う。
検査で明確な異常が認められなければ、
「特発性膀胱炎」もしくは「問題行動による排尿異常」
である可能性が高く、その治療にはその猫ちゃんのストレス管理が重要!
ということになります。
それでは次回からいよいよ猫ちゃんのストレス管理方法についてお話ししていきたいと思います。
つづく
<参考文献>
・猫ちゃんの飼い主様向けセミナー 資料
・2013 ビルバック 猫行動学セミナー 資料
・春のヒルズ学術講演会2014 資料
<関連ブログ>
キャリーケースに入って動物病院へ健診へ行こう!
猫ちゃんの通院ストレスを軽減させるためにできること 〜はじめてのキャリーケース・トレーニング〜
猫ちゃんアンケートの質問にお答えします!① ② ③ ④



当院について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。↓
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セカンドオピニオンについて
当院でのペットの健康管理について
※いままでの『院長のつぶやき』をご覧になりたい方はこちらへどうぞ
→ つぶやきのまとめ
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